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zoom RSS 直江兼続と上杉謙信

<<   作成日時 : 2008/11/05 23:03   >>

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直江兼続といえば、「愛」という字を前立にした兜を身につけていたことで有名です。この「愛」は愛宕権現や愛染明王に由来しているとの見方が一般的ですが、前回紹介した『日本史探訪』では、仁義重んずる上杉家の家風を反映した「愛民」の意味が込められているのではないかという見解が語られたいます。そして、海音寺潮五郎さんは「直江兼続を理解するには、まず上杉謙信を理解することが必要だ」と述べています。

上杉謙信を理解する最良のテキストと言えば、それはもちろん海音寺潮五郎さんの『天と地と』ですね。結局ここに戻ってくるのかという感じですが、作家の代表作とはそうしたもので、今でも
 吉川英治と言えば『宮本武蔵』
 司馬遼太郎と言えば『竜馬がゆく』(本当か!)
 海音寺潮五郎と言えば『天と地と』
なわけです。
さすがに『天と地と』はみなさんもう既読のことと思いますので、『日本史探訪』の「直江兼続」(この「直江兼続」は最近出版された『実伝 直江兼続』に収録されており、また手軽に読むことができるようになっています)から海音寺潮五郎さんの語る「上杉謙信の決定的な特徴」を拾ってみると、

 上杉謙信は、生涯、自分の戦争は義のための戦争である、と信じきっていた人です。これは、越後領内のいろいろな神社に謙信が奉っている願文、それから信州の神社にも奉っている願文、これらの中に謙信がはっきりそう書いています。自分は自分の欲望のために戦ったことはかつてない、自分は常に筋目のために、すなわち正義のために戦っている、と書いております。
 そして、常陸の佐竹家から、今、関東に入ってきてください。そうすると関東の諸将は戦わずしてなびくでしょう。今お入りになることは、あなたの利益でありますと言ってよこしたことに対して、自分は利のためには動かない、自分が動くのは常に正義のために動くのである、という返事を書いています。これも古文書として残っております。


とあります。

司馬遼太郎さん的に言うと、戦国時代というのは商経済の発展とも相まって、当時の日本人に合理主義の意識が急速に目覚め、成長してきた時代です。そんな時代にあって
 「利のためには動かない」
という謙信の思想は合理主義とは正反対のものですが、それを然らしめているのは謙信が持っている独特の美意識です。
この美意識・行動美は、謙信をしてカリスマ的な君主のイメージを家臣に植え付けました。そして謙信の急死後、そのイメージはさらに膨張し、上杉家に「謙信崇拝」の風潮を生み出したと海音寺潮五郎さんは言います。同じく『日本史探訪』から引用しますと、

 謙信崇拝は、ひとり直江だけでなく、上杉家中にずうっと流れている気風です。とりわけ初期においては、謙信を上杉家では非常に崇拝しております。
(中略)
 それで直江もですね、謙信をお手本にして、自分も謙信的人物になろうと努力し続け、自分の主人である景勝も−確か景勝と直江の間は、景勝が四つか五つぐらい上ですか−この景勝を謙信的英雄にしようという考え方を持って仕え、助けていたのではないかと思います。


とのことです。

来年のNHK大河ドラマで上杉謙信と直江兼続のことが、どのように表現されるのかは分かりませんが、この「謙信崇拝」というのが重要なキーワードですので、その視点で観察していくと、いろいろと思い当たるところが見つかるかも知れませんね。
ちなみに、前にも紹介しましたが、謙信の死後、上杉家の当主となる景勝が謙信の養子となる経緯を語った作品に海音寺潮五郎さんの「芙蓉湖物語」があります。『疾風怒濤!上杉戦記』に収録されていますので、興味がある方はご一読をお薦めします。


◆特集:NHK大河ドラマ「天地人」

 海音寺潮五郎「直江兼続を語る」
 
 直江兼続と上杉謙信
 
 直江兼続と豊臣秀吉
 
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 海音寺潮五郎『武将列伝』石田三成
 
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 だが、石田三成の志は諒とする
 
 加藤清正と小西行長
 
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疾風怒濤! 上杉戦記 (PHP文庫)

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