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新年を迎えて、NHK大河ドラマも新たな作品「篤姫」の放送が開始されます。前にも話題にしましたが、NHK大河ドラマは日本史を扱うテレビイベントとしては非常に大きなものであり、かつ、一年間という長期に渡りますので、これに便乗しようとする動きが各所に現れます。関連する書籍が多数出版されるのはもちろんですが、登場人物にゆかりの地では観光客誘致の動きが活発化します。 海音寺潮五郎さんの大長編史伝『西郷隆盛』はこうした便乗本ではありませんが、知らない人が本屋で見かけると、有象無象の便乗本と見分けがつかないのではないかと思われ、つい嘆息してしまいます。 ところで、観光の方の便乗イベントとしてはドラマの舞台となる鹿児島(薩摩)が熱心に活動するのはうなずけますが、何と「彦根」、「井伊直弼」といったキーワードで今回の「篤姫」に便乗しようという動きがあるようなので驚きました!自分的には「驚愕した!!」と言ってもいいです。 何でも今年は江戸末期の開国から150周年ということで、これを記念して井伊直弼を顕彰しようという動きなのだそうです。 井伊直弼を開国の恩人とすることがいかに的はずれであるかについては、海音寺潮五郎さんの『日本歴史を散歩する』の記述を引いて前に紹介したことがありますが、今回は大長編史伝『西郷隆盛』から関連する記述をみましょう。井伊直弼の評価についてはかなり重要なテーマですので、何回か繰り返し取り上げるかもしれません。 井伊直弼は江戸幕府末に諸外国との外交問題が持ち上がってきた当時、不幸にして(といっていいと思いますが)大老に就任しました。その結果、幕府の最高権力者としてまず米国と条約を調印するに至ったわけです。 これについては海音寺潮五郎さんの『西郷隆盛』では、 井伊を進歩主義者と見る人がいる。『開国始末』を書いた島田三郎以来、そういう説をなす人が絶えない。専門の史学者にはいないが、一般にはまだずいぶん多い。その論拠の最も大なるものは、彼が多数の反対をおしきって条約に調印したことにあるのだが、福沢諭吉は『福翁自伝』の中で、井伊のことをこう言っている。 「大老井伊掃部頭は開国論を唱へた人であるとか、開国主義者であつたとか云うやうな事を、世間で吹聴する人もあれば、書に著はした者もあるが、開国主義なんて大嘘の皮、何が開国論なものか、存じ掛けもない話だ。この人が京都辺の攘夷論者を捕縛して刑に処したることはあれども、これは攘夷論をにくむためではない。浮浪の処士が横議して徳川政府の政権を犯すが故に、その罪人を殺したのである。開鎖の議論に至つては、真闇な攘夷家といふより外に論評はない」 と福沢諭吉の言説を例に引いて記述しています。 福沢諭吉は当時を代表する知識人ですから、その批評は謙虚に受け止めるべきものです。井伊直弼は攘夷主義者だったというのですからお話になりませんね。 ということで、今回は井伊直弼を日本開国の恩人とすることは筋違いであるというお話でしたが、政治家・井伊直弼の施政については目を覆いたくなるほど無惨なものがあります。が、これはまた別の回にしましょう。
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モモタさん、こんにちは。 |
花姥 2008/01/04 15:06 |
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モモタ 2008/01/05 08:20 |
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