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zoom RSS 二宮尊徳が泥棒だなんて

<<   作成日時 : 2007/05/05 15:20   >>

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司馬遼太郎さんは今なお日本で最も人気のある作家ですが、その才能をいち早く、かつ最も高く評価したのが海音寺潮五郎さんです。講談倶楽部賞選考の場で落選しそうになった『ペルシャの幻術師』を受賞に持ち込んだのが海音寺さんであったこと、直木賞選考では『梟の城』の受賞に反対する吉川英治氏を説得したのもまた海音寺さんだったことは、以前このブログでも紹介した通りです。

司馬遼太郎さんは海音寺潮五郎さんのご長女とほぼ同年齢ですから、文字通り、親子ほどの年の差があるわけですが、お二人の関係や親子・師弟というのではなく、友人のようであったとのことです。
生前から深く親交のあった司馬さんと海音寺さんですが、海音寺さんが昭和52年に急逝した際には、司馬さんが葬儀委員長をつとめ、その著作権を管理する財団法人・海音寺潮五郎記念館の設立についても、司馬さんが大いに尽力されたとのことで、同時にこの記念館の理事にも就任されています。

さて、今回紹介する作品は少し変わり種ですが、『司馬遼太郎全講演[4]』 です。ここに、海音寺潮五郎十三回忌記念講演として、海音寺潮五郎記念館主催で開催された司馬さんの講演が収録されています。
この講演の冒頭部分で、「二宮尊徳(二宮金次郎)は泥棒だ!」という話が出てくるのですが、司馬さんの思いで話として、海音寺さんが世を嘆くところから始まります。

すいぶん前のことですが、海音寺潮五郎さんが、
「司馬さん、どう思いますか。こんな世の中になってしまいました。物を一面からしか見なくなった」とおっしゃっていました。
新聞の文化欄に載った学者の論文を見て、ため息をつかれている。二宮尊徳についての論文でした。
(中略)
その論文には、二宮尊徳は泥棒である、そう書かれていました。
昭和二十年代ぐらいから左翼の思想が、大変はやりました。その学者がいうのには、二宮尊徳はあんなに貧乏なのに、いつも薪を背負っている。あの薪はどこか山から盗んできたものに違いない(笑)。


もちろん、二宮尊徳(私が通った小学校にも銅像がありましたが)が薪をどこぞから盗んだなんて事はないのですが、物を一面からだけしか見ないとこのような変なことになってしまうため、物事は複数の観点から見る必要があるという内容の講演です。
他には、「海音寺潮五郎さんへの思い」という話も収録されており、司馬さんにとって海音寺潮五郎さんがいかに特別な人だったかを伺い知ることができます。


画像

さて、この写真は上記の講演を記念して司馬遼太郎さんが揮毫して作成された大皿で、今は海音寺潮五郎記念館に展示されているものです。展示ケースのガラス越し写したので少し見難いですが、「肥後まで五里 大口 遼」と書かれています。
大口とは鹿児島県大口市のことで、海音寺潮五郎さんのふるさと、上記の講演が行われたのも大口市でした。
司馬遼太郎全講演[4] 1988(2)-1991 (朝日文庫)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
私は白石一郎さんのファンなのですが、彼の最初の直木賞候補作になった「孤島の騎士」を激賞したのが、海音寺潮五郎氏だったといいます。司馬さんのことといい、新人の資質を見抜く目(もちろん歴史を見る目も)は、並みはずれていたようですね。
どころで、『武将列伝』の復刊は・・?
さっと
2007/07/16 11:44
さっとさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

白石一郎さんは、海音寺潮五郎記念館主催の講演会で講演されていたこともありますね。やはり自分の作品を高く評価してくれた海音寺さんゆかりの団体ですから、こういった依頼も快く引き受けてくれるのでしょうね。

さて、『武将列伝』ですが、前に記念館の方に聞いた話では、関係者の期待も込めて、「今年の秋頃には」ということでした。が、特に裏づけがあるわけではないとのことでした。
記念館の理事長(?)さんと文藝春秋社に強いコネクションがあるとのことで、復刊されるとすれば文春文庫になるのだと思います。
楽しみにしながら、もう少し待ってみましょう。
モモタ
2007/07/17 12:26

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