追悼 磯貝勝太郎先生

文芸評論家の磯貝勝太郎先生が亡くなられたという知らせが届きました。つつしんでご冥福をお祈りします。

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亡くなられたのは今年(2016年)の6月だそうで、その以前に「最近は健康がすぐれない」と書かれた手紙をいただいたことを覚えています。私と磯貝先生との接点は、このブログにあるとおり海音寺潮五郎さんです。海音寺さんのご親族の方が、当時海音寺潮五郎記念館の評議員をされていた磯貝先生に引き合わせて下さったのです。

私が世にも珍しい大の海音寺ファンだということを聞き、磯貝先生は嬉しそうな笑顔で私の手を取り、とても大げさな動作で握手してくれました。海音寺潮五郎さんのことを正しく論評できるのは磯貝先生をおいて他にはない状況だったと個人的には感じていますが、その磯貝先生がなくなり、とうとう海音寺さんも作家として歴史のなかに埋没してしまうのだろうと思います。

磯貝先生は海音寺潮五郎さんと一度しかお会いしたことがないようなことを書かれていて、それは海音寺潮五郎記念館誌第26号に出てきます。ここには興味深いエピソードがあり、それは海音寺さんにとって愛弟子とも言うべき司馬遼太郎さんが当日執筆していた『翔ぶが如く』の西郷隆盛像について、磯貝先生が海音寺さんに質問している個所です。海音寺さんにとって西郷がどのような存在だったのか深く感じさせる話だと思います。

磯貝先生は海音寺さんとの出会いを「一度の出会いは百年の重み」と書いていますが、私も磯貝先生とはたった一度お会いしただけでそれきりになってしまいました。親しく付き合っている間柄でないのであれば、一期一会を常に意識しなければならないのかもしれません。

磯貝先生は海音寺さんの作品はもとより、司馬遼太郎さんの作品についてもお詳しく、例えば下記の作品はいまでも入手可能です。司馬さんの『坂の上の雲』が好きな人なら、併せて『妖怪』を読むべきですし、その理由は磯貝先生のこの本を読んでもらえば分かるはずです。


司馬遼太郎の幻想ロマン (集英社新書)
集英社
2012-04-17
磯貝 勝太郎

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