海音寺潮五郎記念館誌 第34号

海音寺潮五郎記念館誌の第34号、残すところこれを含めて2号分となりました。記念館主催で毎年開催されてきた文化講演会ですが、記念館の解散が正式に決まり、「開催は今回で最後」として開かれたときの様子が掲載されています。講演会は直木賞作家の葉室 麟氏と文芸評論家の縄田一男氏の対談形式で行われました。

ちなみに、このときの開催場所は海音寺潮五郎さんの母校・國學院大学。開催は30回目だったとのことで、これをもって文化講演会は終幕しました。

海音寺潮五郎記念館誌 第34号(PDF:5.0MB)


・文化講演会「海音寺文学を語る」
 葉室 麟、縄田一男

・海音寺潮五郎記念館文化講演会開催記録


最終回となった文化講演会の内容を周知するためだけの特別号のような位置づけで、コンテンツはこれだけです。その代わりといってはなんですが、講演会での対談の内容が細部までよく分かるようになっていると思います。

現役の作家が海音寺潮五郎さんのことを語るときには、その事績に詳しかろうがそうでなかろうが、「史伝文学の復興」に触れるのですが、それはこのときも同様でした。ちなみに、海音寺潮五郎さんの史伝作品の記念すべき第一作は『武将列伝』の連載として執筆した「悪源太義平」です。この作品を手渡された編集者が
 「次回からは、小説として書いてください。」
と言った逸話は別のところに載せてますので、こちらもご参照下さい。

 史伝文学復興への苦難

他に印象的な個所としては、葉室 麟氏の発言で
「ベテランの編集者に教えてもらったんだけど、『のぼうの城』の和田竜さんは海音寺作品が大好きなんだそうだ。その和田さんの作品を多くの人が読む。海音寺先生が切り開いた歴史感が脈々と受け継がれているのかもしれない」
という趣旨の発言をしていたところですね。そういうもんなのでしょうかね。




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2010-10-06
和田 竜


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この記事へのコメント

ぶんちゃん
2016年06月10日 11:02
初めての投稿です。長い事このブログの更新がありませんが既に閉鎖されてしまったのでしょうか。海音寺潮五郎の短編に挿入されている
伊集院忠直の殺害に関わる物語を昔読んだ事が有るのですが、何のタイトル本に収録されているかご存知ありませんか。忠恒と上洛途上
日向の野尻町舞台です。
2016年06月10日 12:07
いろいろと手が回らず更新が滞ってます。
ご質問の件ですが、伊集院忠直ですか?思い当たりませんが、どんな描写があったか もう少し説明してもらえたらわかるかもしれません。
カマウチヒデキ
2016年11月06日 15:01
ご無沙汰しています。カマウチです。「シミルボン」という読書サイトに海音寺潮五郎『平将門』のことを書きました。よろしくご高覧の程。
https://shimirubon.jp/columns/1675363
2016年11月10日 21:25
モモタです。海音寺さんの作品を思い出しながら楽しく読ませていただきました。

見てきたような嘘をつく、その通りですよね。過去の歴史の全てが記録に残っているはずはないので、そこは「歴史は解釈」ですね。でも、海音寺さんの深い人間理解が解釈の内容にもっともらしさを強く与えていると感じます。

そういえば、大手町にある将門の首塚周辺が再開発中ですが、肝心の首塚はそのままです。将門は関東の守神としてこれからもあり続けるでしょうから、その人物自身にももっと日があたっていいはずですね。海音寺さんの『平将門』、私も多くの人に読んで欲しい名作だと思います。

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