海音寺潮五郎『新名将言行録』
海音寺潮五郎さんの作品がまた一つ復刊されました。河出文庫の『新名将言行録』です。出版社は河出書房新社ですが、この出版社が「超ニッチ海音寺潮五郎ブーム」に便乗して『蒙古の襲来』、『大化の改新』を出版していることは前にこのブログでも取り上げましたね。今回の『新名将言行録』は便乗第3弾というわけです。この作品についてはネットで公開されている情報が不十分で、内容がよく分からない方も多いと思いますので、少し紹介してみましょう。
この『新名将言行録』は、例によって超局所的海音寺潮五郎ブームに便乗するためだけに出版された作品ですが、もともとは『名将言行録』の現代版として1958年に全5巻組『新名将言行録』として河出書房新社から出版された作品から、海音寺潮五郎さんが担当した人物伝のみを抜き出して再編集したものだそうです。
当初の『新名将言行録』では海音寺潮五郎さんの他に、白井喬二、尾崎士郎、榊山潤といった作家陣が執筆に参加していたそうですが、そういった方々を切り落として海音寺潮五郎さんのパートのみを再出版する手法は『蒙古の襲来』、『大化の改新』と同じパターンです。河出書房新社の面目躍如(?)といったところですね。
さて、先の『新名将言行録』が出版された1958年は、海音寺潮五郎さんの代表作『武将列伝』の連載が始まる1年前です。今回出版された『新名将言行録』(あぁ、ややこしい)に収録された人物伝は、
源頼義、源義家、源為朝、源義朝
北条時頼、北条時宗、北条高時
竹中半兵衛
島津家久、島津義久
堀秀政
黒田如水
山内一豊
池田輝政
宇喜多秀家
立花宗茂
ということで、海音寺潮五郎さんの『武将列伝』、『悪人列伝』と重複する人、そうでない人まちまちですが、重複しない人については海音寺潮五郎さんの人物評を知る手がかりとして貴重な情報源とも言えますね。
ただし、今回の『新名将言行録』はどうも執筆の方針によく分からないところがあります。というのも、オリジナルの『名将言行録』に収録されている人物については、その現代訳としてだけ執筆されている感があり、例えば「山内一豊」のところでは、
この項の文章は少しおかしい。(中略)おそらく脱落や誤写があるのであろうが、しいて意を通ずればこう解釈するよりほかない。
という括弧書きがあったりします。作品全般に言えることですが、海音寺潮五郎さんの解釈は抑え気味で、世間に流布されている逸話を紹介することを主目的に執筆された作品のようなので、読む方もそのつもりでいた方がいいと思いますよ。
この
当初の『新名将言行録』では海音寺潮五郎さんの他に、白井喬二、尾崎士郎、榊山潤といった作家陣が執筆に参加していたそうですが、そういった方々を切り落として海音寺潮五郎さんのパートのみを再出版する手法は『蒙古の襲来』、『大化の改新』と同じパターンです。河出書房新社の面目躍如(?)といったところですね。
さて、先の『新名将言行録』が出版された1958年は、海音寺潮五郎さんの代表作『武将列伝』の連載が始まる1年前です。今回出版された『新名将言行録』(あぁ、ややこしい)に収録された人物伝は、
源頼義、源義家、源為朝、源義朝
北条時頼、北条時宗、北条高時
竹中半兵衛
島津家久、島津義久
堀秀政
黒田如水
山内一豊
池田輝政
宇喜多秀家
立花宗茂
ということで、海音寺潮五郎さんの『武将列伝』、『悪人列伝』と重複する人、そうでない人まちまちですが、重複しない人については海音寺潮五郎さんの人物評を知る手がかりとして貴重な情報源とも言えますね。
ただし、今回の『新名将言行録』はどうも執筆の方針によく分からないところがあります。というのも、オリジナルの『名将言行録』に収録されている人物については、その現代訳としてだけ執筆されている感があり、例えば「山内一豊」のところでは、
この項の文章は少しおかしい。(中略)おそらく脱落や誤写があるのであろうが、しいて意を通ずればこう解釈するよりほかない。
という括弧書きがあったりします。作品全般に言えることですが、海音寺潮五郎さんの解釈は抑え気味で、世間に流布されている逸話を紹介することを主目的に執筆された作品のようなので、読む方もそのつもりでいた方がいいと思いますよ。
この記事へのコメント