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zoom RSS 坂本竜馬は乱世の英雄である

<<   作成日時 : 2006/08/06 15:58   >>

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海音寺潮五郎さんに『乱世の英雄』という作品がありますが、その「あとがき」で海音寺さんが気になる文章を書いています。小説を書く作業と比較して、史話や史論を随筆風に書くことの方が楽しいと述べているのですが、

小説の創作は新しい別世界を築き上げて行くことだ。書きつらねて行く一字一句は、煉瓦を積み重ねて行く作業と同じである。しかし、こちらはかねていつの間にか自然に胸中に貯まった智識や自然に胸中に出来上がった考察や判断をそのままに、あるいはウロ覚えのところはちょいと参考書を見て、吐露して行けばよいのだ。浪費に似ている。労働より浪費の方が愉快にきまっている。

とあります。
これは随筆風に書いたこの『乱世の英雄』は、作者として非常に楽しく愉快に執筆できたという心情を披露しているわけですが、逆に言えば、小説を書く行為は想像力を要求される作業だけに、作者として非常な負担になるものだという実体験を述べているとも受け取れます。

この「あとがき」の日付は1956年になっており、海音寺さん55歳のときのことです。海音寺さんはこの後も『天と地と』をはじめとする優れた小説を世に送り出していますが、やはり晩年に至るにつれて、小説を書くという"労働"に耐えきれなくなった面があるのではないかと思われ、例えば当初5部作の構想だった『日本』が3部(『二本の銀杏』、『火の山』、『風に鳴る樹』)までで未完に終わったことなどに通じているのかもしれないと思えるのです。

年齢から来る気力体力の衰えは人間としてやむを得ない部分があるとしても、海音寺さんの博学な知識、高い見識に裏打ちされた作品で未完に終わったものが少なくないことは、重ね重ねも残念なことだと思います。

さて、この『乱世の英雄』に収録されている内容から面白いものを少し紹介しましょう。メインタイトルと同じ「乱世の英雄」という作品が収録されており、その中に坂本竜馬も乱世向きの人だとして、その語録を掲載しています。
現代語訳して一部以下に引用しますと、

・人に対面したときは、"こいつを打ち殺すにはどうすればいいだろうか"と考えながら見てみるといい。こいつを殺すのは簡単だと思えるような相手なら大した知恵は持っていない。少し難しいぞと思うような相手は知恵のある人物だ。そういった相手は早くだまして味方にした方がいい。

・人を殺す方法を色々と工夫する必要がある。刀を使うときにはどうすればいいか、毒物を使うときにはどうすればいいかといった具合だ。浮浪者などを相手に2、3人試しておく必要がある。

などと以下、他にもいくつかの"姦雄的"竜馬語録を載せています。
竜馬独特のユーモア(相当以上にブラックですが)が含まれているのだとしても、これはいただけないなと思う内容ですね。
海音寺さんは坂本竜馬よりも、その師匠格の勝海舟を高く評価していますが、こんなところにも理由の一端があるかもしれませんね。
乱世の英雄 (文春文庫)

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