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zoom RSS 海音寺潮五郎と山本周五郎

<<   作成日時 : 2010/02/21 14:30   >>

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テレビ朝日系列で山本周五郎氏の「樅の木は残った」をドラマ放映していたのに触発されて、海音寺潮五郎さんと山本周五郎氏の絡みについて少し書きます。

現在まで続くNHK大河ドラマですが、シリーズ放送開始当初のその昔、年々低落する視聴率に「シリーズ打ち切り」の話も持ち上がる中、起死回生の一作として放送されたのが海音寺潮五郎さんが原作を提供した「天と地と」でした。主演は石坂浩二氏が務めています。

その翌年ドラマ化されたのが、山本周五郎氏の「樅の木は残った」ですが、伊達騒動をテーマとするこのドラマについて、海音寺潮五郎さんは
「作品の基礎となる歴史解釈に納得できない部分がある」
として、その詳細を『列藩騒動録』で説明しています。それについてはこちらで書きました

その他、海音寺潮五郎さんと山本周五郎氏の逸話として次のような話が伝わっています。これは海音寺潮五郎記念館誌第11号に木村久邇典氏(文芸評論家・元青山学院短期大学教授)が書かれているのですが、それによると、昭和25年頃、この木村氏が務める労働文化社発行の月刊誌にふたつの小説を連載中で、そのうち時代物を執筆していたのが山本周五郎氏だったそうです。

その連載が終わり、次の作品を誰が担うのが相応しいか、木村氏は山本周五郎氏に相談したとのことで、以下、海音寺潮五郎記念館誌から引用すると、

山本先生に相談すると、即座に答えが返ってきた。
「海音寺さんがいいと思うな。海音寺さんの文学に対する態度はまったく真摯だ。うわずったところがぜんぜんない。仕事が丁寧だよ。
しかし、なんといいペンネームだろう。海音寺潮五郎・・・。名前だけでも水もしたたる美男子を連想させるじゃないか」


ということだったそうです。

こうして次作の担当は海音寺潮五郎さんと決まり、その結果として世に送り出されたのが『いつか夜は明ける』です。この作品は海音寺潮五郎さんの作品中では非常にマイナーな部類になり、私も未読ですが、この『いつか夜は明ける』は
 『二本の銀杏』『火の山』の祖形となる作品である
といえば、あぁそういう作品なのかと海音寺ファンなら作品内容をイメージできることでしょう。

また他には、講談社の元取締役で編集局長も務めた萱原宏一氏が海音寺潮五郎記念館誌第16号に書かれているところによると、海音寺潮五郎さんに山本周五郎氏、そして司馬遼太郎さんを加えたエピソードとして、次のような話があります。
これまた記念館誌から引用すると、

(前半略)その司馬さんを読んでいないというので、山本周五郎さんに司馬さんを認めさせようと、(海音寺潮五郎さんが)意地になって何冊かの著作本を横浜間門の仕事場にお届けしたことがある。しばらくして伺い、どうです、と言ったら、
「あれは何だい、読者に白紙を買わそうというのかい。やたら行間をあけたり、中には『と。−−』と一字だけの行の前後が一行アケになってるぜ、「と」で三行も使うのか」
と全部は認めたがらぬ曲軒ぶりが面白かった。


とあります。

まぁ、たわいもない逸話ですが、海音寺潮五郎さんと山本周五郎氏の作品を比較した場合、文学的評価の高さという面では山本周五郎氏に軍配をあげるのが大勢のようです。海音寺ファンとしては口惜しいところですが、海音寺さんは史伝に時間を掛けすぎたこと、そしてその史伝は正当に評価されていない点が不利なのでしょうね。
新装版 列藩騒動録(上) (講談社文庫)

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