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help リーダーに追加 RSS 海音寺潮五郎『大化の改新』

<<   作成日時 : 2008/05/11 08:37   >>

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前回、海音寺潮五郎さんの『蒙古の襲来』に記載されたユニークな歴史解釈、「蒙古軍は野蛮人の集まりだったから強かった」を紹介しました。私はこの箇所を読んで、古代日本の三韓征伐のことを思い出しました。これについては、同じく河出文庫から最近出版された海音寺潮五郎さんの『大化の改新』に関連しますので、少し紹介してみたいと思います。

さて、みなさんは大化改新についてどの程度の知識をお持ちでしょうか?

Q1:大化改新とは何か説明しなさい。
A1:中ノ大兄皇子や中臣鎌足らが、蘇我入鹿を暗殺したこと。


Q2:その結果、当時の日本に起こった政治的変化は何ですか?
A2:中ノ大兄皇子が即位して天智天皇となった。


日本史に関する上記2つのQ&Aですが、どの程度正しくて、どの程度間違っているか、お分かりになるでしょうか?
結論だけ言いますと、上記のAはQに対するものとしては全く誤り(もしくは不十分)です。ただ、日本史に興味を持っている人でも、この質問に正確に答えられる人がどの程度いるでしょうかか?
おそらく、極めて少ないだろうというというのが私の印象です。日本の古代史に関しては、小中高の歴史の授業で繰り返し習っているはずですが、それが正確な知識に結びついていないことを示す傍証のひとつと捉えていいと思います。

なぜ、こういったことが起こるのか?海音寺潮五郎さんが繰り返し主張している通り、

 歴史知識を一般の人々に結縁させるには、優れた歴史文学による必要がある

ということが実践できていなかったからに他なりません。
そして、海音寺潮五郎さんが「優れた歴史文学」の提供を目指して執筆したのが、『武将列伝』『悪人列伝』をはじめとする諸々の史伝作品ですが、このたび河出文庫から出版されることになった『蒙古の襲来』『大化の改新』も、同様の志を持って書かれた作品なのです。

さて、話を三韓征伐に戻しますが、古代日本でこの三韓征伐を行ったのは神功皇后であるとされています。この神功皇后という人は歴史学的には実在が疑われている人ですのですが、海音寺潮五郎さんは、

三韓を征伐したのも、神功皇后であったかどうか、今となっては確かめようもないが、だいたいこの時代にヤマト朝廷が朝鮮半島に出兵して、三韓地方を征服したことは、いろいろな傍証があって確実らしい。

と述べています。

ここで連想するのが元寇に対する海音寺潮五郎さんの解釈「蒙古軍野蛮人説」なわけです。古代日本人が朝鮮半島を征服したということは、それだけの軍事力を持っていたということだと思うのですが、その軍事力の由来は、
 当時の日本人が野蛮で、結果的にその戦闘力が強大だったことによる
のではないか?と、元寇のときの裏返して、ふと思ったわけです。まぁ、これは何の根拠も無い単なる思いつきなので、こんな思いつきをホイホイと発言すると海音寺潮五郎さんには怒られそうですがね。
大化の改新 (河出文庫 (か15-2))

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
お久しぶりです。

「大化の改新」つい先日読了しました。当時の日本兵の強さがその野蛮性にあったのではないかという考え、同感です。まぁ「野蛮性」という言葉に語弊があるのであれば、「勇猛さ」とい言い換えてもいいですが。兵を率いていたのが「上毛野」というどうも東国の豪族だったらしいこと、当時もそれ以後も「防人」というと東国人というイメージがあること(「万葉集」などから)など、いわゆる蝦夷人との混血・交戦関係にあった人々がその主体となっていたように思われます。もちろんこれは海音寺先生の東国武士の発生という事象の説明にもつながっていくわけですが。白村江の戦いでの「俺たちがまず正面突破するから〜」といったあたり。まったく、いつの時代も日本兵は...といったかんじで苦笑させられました。

それにしてもこの本がシリーズ中の一冊であることの説明もなく、突然便乗してしまった出版社の節操のなさにはアキレますね。読みはじめの部分でどうも変だなぁ、と思っていたのですが、塵壷さんの前回のエントリーを読んで疑問氷解しました。
Yute
2008/05/11 10:04
こんばんは。Yuteさん、こちらこそ、ご無沙汰しています。

便乗云々の話は本当にアキレますよね。しかも、この『大化の改新』の値付けのひどいこと!海音寺潮五郎さんの作品が読めるのは嬉しいのですが、売れさえすればいい、儲かればそれでいいという出版社のやり方には反感を覚えますね。

さて、日本人(日本兵)野蛮説、勇猛説ですが、私の少ない知識の中でも、日本人というのはかなり後世にいたるまで「剽悍」だったとは言えそうで、その剽悍さを失ったのは、せいぜいここ数十年くらいなのかもしれませんね。

Yuteさんの書かれている通り、東国が武士の本場というのは平将門時代に対する海音寺潮五郎さんの世界観につながっていますね。
こちらは史伝ではなく小説ですが、『平将門』、『海と風と虹と』もこの際だから復活して欲しいなと思うこの頃です。
モモタ
2008/05/12 21:41

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