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zoom RSS 海音寺潮五郎記念館

<<   作成日時 : 2007/05/03 20:25   >>

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休みを利用して海音寺潮五郎記念館を見学させてもらいに行って来ました。場所は東京都世田谷区経堂で、私の自宅からは電車を乗り継いで約1時間半という距離にあります。ご存じの方が多いと思いますが、ここはもと海音寺潮五郎さんの自宅だったところで、今は記念館の事務所で、海音寺さんに関する多少の展示品をファンのために公開する役割も兼ねた場所になっています。

あらかじめお断りしておきますと、あまり情報がないので分かりにくいですが、記念館の見学には事前の予約が必要です。突然押し掛けても関係者の迷惑になりますのでご配慮ください。(と、私が言うのも変ですが)

さて、以下は記念館の様子と記念館の方から伺ったお話です。


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記念館のメイン展示スペース兼、応接室といったところです。海音寺潮五郎さんの写真や過去に出版された作品が並んでいます。もともとは食堂として使われていた場所だそうです。



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書庫に並んだ海音寺さんの作品。ガラス越しに撮ったので見難いですが、『天正女合戦』という単行本が珍しかったので載せました。ちなみに、海音寺さんの存命中は文庫本で作品を出版したことがほとんどなかったそうです。これは「文庫本は大切に扱われないから」という海音寺さんの意志によるものだったそうです。



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『天と地と』に関する展示。真ん中に写っているのは、NHK大河ドラマとして放映された「天と地と」で上杉謙信役を務めた石坂浩二氏ですね。若いです。



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これは海音寺潮五郎さんの執筆スペースを再現(といってもレプリカというわけではなく、全くの生前そのままではないという意味)した机です。自宅内にはこの他にもさらに2カ所の執筆スペースがあり、資料などで卓上の混乱がひどくなると「引っ越しだ!」と言って、次のスペースに移動して、また執筆を続けるという具合だったそうです。
机の左上に書簡(封筒)が3通ありますが、これは井上靖氏、杉本苑子氏から海音寺さんに宛てられた手紙です。もう一つは差し出し人の名前が達筆過ぎた(単に私が草書体を読めないだけですが)ために誰からだかわかりませんでした。
書簡の宛名は「海音寺潮五郎様」になっていましたが、海音寺さん自身も文名が確立して後は、本名よりも「海音寺潮五郎」という名前の方が馴染みがよいと言っていたという逸話も残っています。


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ノートに書かれた作品の草稿。これは大長編史伝『西郷隆盛』の草稿です。展示されているだけでも相当な数のノートがありました。ちなみに、『西郷隆盛』と言えば海音寺潮五郎さんの絶筆となった作品で、死の直前まで完成に向けて取り組んでいたわけですが、この日の見学に応対してくださった海音寺さんのご長女・香果子さんによれば、「最後のあたりは、父も西郷隆盛を書くことに飽きが来ていたようで、『早く終わらせて別のことに取りかかりたい』と言っていました」とのことでした。ファンにとっては衝撃的!な事実かもしれませんね。
しかし『西郷隆盛』は未完。当然、やりたかった別のことにも手が着かずに亡くなられたのでしょうから、海音寺潮五郎さんの無念さを思うと胸が痛みます。


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先ほどの机の中程に置いてあった原稿。この原稿はこよりで綴じてあるのですが、このこよりは海音寺さんがご自身でよったものだそうです。こよりにするちり紙は地元・鹿児島から取り寄せたもので、手漉きの和紙で出来ているそうです。
こよりにする前の和紙がまだ残っていたため、「今日の見学の記念に」として、香果子さんから数枚を分けていただきました。今でも私の手元に大切にとってあります。



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作品執筆の基礎資料となる所蔵書籍の一部。かなりの部分は寄贈するなどして処分してしまったそうで、残っているのはごく少数の書籍でした。
写真は「寛政重修諸家譜」で、海音寺さんの作品中にもよく引用されているものですね。
海音寺さんも他の作家に負けず劣らず膨大な書籍を所蔵していたそうで、いざ必要な書籍を探そうとして見つからず、業者に「XXXという本を持ってきてくれ」、「その本は既に先生のところに収めましたが」、「分かっているが、どこにしまったか見つからず、忙しくて探してる暇がない。いいから、もうひとつ持ってきてくれ」などということもあったそうです。


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記念館の中庭。都内の一戸建てとしてはわりとゆとりのあるスペースです。奥に見えているのは海音寺潮五郎さんの文章を掘った碑です。

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